ICU2日目

次の日、お昼前に面会のため病院に到着した。

今日は、兄の会社の上司と病状や今後の事などについて話をした。

上司はまだ面会ができないので外で話をした。

とても心配して下さっており、まだ信じられないと言う感じであった。

勿論、仕事復帰も前提でお話しさせてもらったが、最悪の事態も伝えた。

兄は必要とされているんだなぁと感じたと同時に、回復がどこまでのものになるのかわからない現実を考えると辛くなった。

上司も面会できない今が焦れったいみたいで真剣に兄の病状を聞いてくれた。

 

上司「お兄さんになんにも心配するなと伝えてください。ゆっくり療養してください。」

と言って帰られた。

病室に行き兄に面会すると、昨日の様子からは明らかに違う回復が見えた。

少し体を動かすと言うリハビリを行っていた。

少しホッとした。

主治医の先生からは

「脳の出血ももう止まっているみたいなので、後は自然に吸収されてくれるのを待ちましょう。」

私「え?自然に吸収されるんですか?」

(溜まっている血液の行方が分からず、昨晩からずっと気になって眠れなかった。)

私「血は止まってもその後どうなるんだろうって考えてたら眠れなくなりましたよ!吸収されるんですね~⁉️」

先生「はい。打撲と一緒で内側に血液が溜まってアオタンになるのと一緒ですよ。それが吸収されると徐々に脳内の血液の部分が閉じて行き傷みたいになりますが、脳への圧迫がなくなっていくんですよ。」

私「へーすごい‼️」(無知でした💦)

その後、言語聴覚師さんが食事としてゼリーを口にする所を傍らで見守った。

まだ右半身に麻痺はあるため誤飲が心配だったが、ゆっくりゼリーを噛み締め飲み込んで間食した。

食欲も普通にあるらしい。

麻痺している手足も感覚はあるみたいだ。

 

私「痒くなったりする感覚ある?」

兄「うん」

私「これ分かる?」(指で✌️をつくる)

兄「2」

私「これは?」(指を3本にする)

兄「3」

私「よろしい❗」

私はベッドに横たわる兄を笑わそうとお茶らけて話しかけた。

兄は笑ってくれた。

一緒に母も来ていたが、母も私のお茶らけに乗ってくれた。

 

脳内に出た血液に触れた脳組織はその時点で死滅するらしい。

それが吸収後どうなるのかまだわからないけど、ゆっくりと回復を待とう。

そう言い聞かせた日だった。